相続が発生しますと、相続開始の日から10ヶ月以内にさまざまな手続きを順に行うようになります。
以下、具体的に順を追ってスケジュールを確認していきます。
相続税申告までの手続き(申告スケジュール)のご確認
事例:相続一郎さんが平成21年9月15日になくなった場合を例にご紹介いたします。
日程 | 関連事項 | 備考 |
相続の開始 平成21年9月15日(火) 3か月以内 平成21年12月15日(火) | □被相続人の死亡 □葬儀 □四十九日の法要 □遺言書の有無の確認 □遺産・債務・生前贈与の概要と相続税の概算額の把握 □遺産分割協議の準備 □相続の放棄又は限定承認 □相続人の確認 | 死亡届の提出(7日以内) 葬式費用の領収書の整理・保管 平成21年11月2日(月) 家庭裁判所の検認・開封 未成年者の特別代理人の選定 準備(家庭裁判所へ) 家庭裁判所へ申述 |
4か月以内 平成22年1月15日(金) | □百か日の法要 □被相続人に係る所得税の申告・納付(準確定申告) □被相続人に係る消費税・地方消費税の申告・納付 | 平成21年12月23日(水) 被相続人の死亡した日までの所得税を申告 被相続人の死亡した日までの消費税・地方消費税を申告 |
10か月以内 平成22年7月15日(木) | □根抵当の設定された物件の登記(6か月以内) □遺産の調査、評価・鑑定 □遺産分割協議書の作成 □各相続人が取得する財産の把握 □未分割財産の把握 □特定の公益法人へ寄付等 □特例農地等の納税猶予の手続き □相続税の申告書の作成 □納税資金の検討 □相続税の申告・納付(延納・物納の申請) | 平成22年 3月15日(月) 農業委員会への証明申請等 被相続人の住所地の税務署に申告 |
□遺産の名義変更手続き |
(注)
相続の手続きについては、以下のような保険金等の請求手続きも必要ですので合わせてご確認下さい
生命保険金・年金等の請求手続きについてのご確認
行 | 項目 | 期限 (相続開始後) | 手続先 | 必要書類等 |
死亡保険金 □①生命保険 | 生命保険会社 | □保険会社所定の請求書 □保険証券 □保険会社所定の死亡診断書 又は検案書 □保険会社所定の同意書 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □相続人の印鑑証明書 □事故証明書 (交通事故の場合) | ||
□②損害保険 | 損害保険会社 | □保険会社所定の請求書 □保険証券 □保険会社所定の死亡診断書 又は検案書 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □相続人の印鑑証明書 □事故証明書 (交通事故の場合) □保険会社所定の事故報告書 |
行 | 項目 | 期限 (相続開始後) | 手続先 | 必要書類等 |
1 | □未支給年金 | 死亡者の所轄社会保険事務所 | □年金証書 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □請求者の戸籍謄本 □銀行の通帳及び通帳の印鑑 □被相続人と請求者の住民票 | |
2 | 遺族年金 □①国民年金 □②厚生・共済年金 | 5年以内 | 市区町村の役所(保険年金課) 勤務先の社会保険事務所 | □裁定請求書 □死亡者と請求者の年金手帳 □死亡者と請求者との身分関 係を明らかにすることのできる 戸籍抄本 □死亡診断書 □銀行の通帳及び通帳の印鑑 |
3 | □遺族補償給付 | 5年以内 | 労働基準監督署 | □死亡診断書 □相続人の住民票 □印鑑 □保険証 □遺族補償年金支給請求書 (遺族補償年金の場合) □遺族補償一時金支給請求書 (遺族補償一時金の場合) □遺族補償年金前払一時金支 給請求書(遺族補償年金前払 一時金の場合) |
行 | 項目 | 期限 (相続開始後) | 手続先 | 必要書類等 |
4 | □①葬祭料(業務上の死亡の場合) | 2年以内 | 事業所の所轄労働基準監督署 | □死亡診断書、 死亡検案書 又は検死調書の写し □被相続人の戸籍 (除籍)謄本 □相続人の住民票 □印鑑 □葬祭料請求書 |
□②埋葬料 | 勤務先又は社会保険事務所 | □死亡診断書、 死亡検案書 又は検死調書の写し、 埋葬許可書、火葬許可書 又は事業主の証明書 (いずれか一つ) □印鑑 □健康保険埋葬料請求書 □健康保険証 | ||
□③葬祭費 | 市区町村の役所(保険年金課) | □埋葬許可書又は火葬許可書 □印鑑 □国民健康保険葬祭費支給申請書 □国民健康保険証 |
(注)
上記の必要書類等は、被相続人・相続人の状況や地域により異なる場合がありますので、詳しくはそれぞれの手続先にご確認ください。
実際に相続税が発生しない場合でも、不動産の所有者が亡くなった場合その不動産の所有権は相続人に移転し名義変更の手続きが必要です。その他不動産以外の遺産(預貯金・自動車、株式等)についても名義変更の手続きが必要です。当事務所では、司法書士事務所と提携しており相続にかかる各種手続き(相続登記)のお手伝いをさせていただいてます。
名義変更の手続きについてのご確認
相続に関する名義変更の手続きには、以下のようなものがありますので、ご確認ください。
行 | 項目 | 期限 (相続開始後) | 手続先 | 必要書類等 |
□公共料金 電気 ガス 水道 電話 | 電力会社 ガス会社 水道局 電話会社 | □領収書(旧使用者番号) □領収書(旧使用者番号) □領収書(旧使用者番号) □領収書(旧使用者番号) | ||
□公共料金の口座振替の変更 | 取扱い金融機関 | □口座一括振替書 □金融機関の通帳及び通帳の印鑑 | ||
□クレジットカードの退会 | クレジットカード会社 | □解約届 | ||
□役員変更登記 | 2週間以内 | 法務局(司法書士へ依頼) | □役員変更登記申請書 □死亡届出書 | |
□固定資産税(相続登記前に1月1日を過ぎた場合) | 市区町村の税務課 | □相続人の代表者指定届 |
(注)
上記の必要書類等は、被相続人・相続人の状況や地域により異なる場合がありますので、詳しくはそれぞれの手続先にご確認ください。
行 | 項目 | 期限 (相続開始後) | 手続先 | 必要書類等 |
□自動車 | 自動車登録代行センター(ディーラーが代行) | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □被相続人の住民票の除票 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □自動車検査証 | ||
不動産 □①登記済みのもの | 法務局(司法書士へ依頼) | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □被相続人の住民票の除票 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □相続人の住民票 □代理権限証書(委任状) | ||
不動産 □②未登記の家屋 | 市区町村の税務課 | □家屋課税台帳名義人変更願 | ||
□賃貸借契約 | 地主又は家主 | □契約書 □地主等が要求する書類 | ||
□根抵当権 | 6月以内 | 法務局(司法書士へ依頼) | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □相続人の住民票の写し □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □権利証 □根抵当権変更契約証書 (合意証書) | |
□借入金 | 金融機関 | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □各銀行所定の債務者変更申 込書 | ||
□上場株式 取引口座の変更 | 証券会社 | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 | ||
株式 | 信託銀行 | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □各銀行所定の株式名義書換 請求書 □新名義人の株主票 □共同相続人同意書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 | ||
□非上場株式及び出資金 | 発行会社 | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □出資証券 | ||
□預貯金 | 金融機関 | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □遺産分割協議書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □各銀行所定の払戻用紙や同 意書等 □預金通帳及び証書 | ||
□生命保険(被相続人が契約者・受取人の場合) | 保険会社 | □各保険会社所定の名義変更 請求書兼改印届 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □保険証券 | ||
□損害保険(被相続人が契約者の場合) 積み立て保険 | 保険会社 | □各保険会社所定の権利継承 承認請求書 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □保険証券 | ||
□掛け捨て保険 | 保険会社 | □各保険会社所定の異動承認 請求書 □相続人の印鑑証明書・印鑑 □保険証券 | ||
□ゴルフ会員権 | 所属ゴルフ場 | □各ゴルフ場所定の書類 | ||
□電話加入権 | NTT | □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍謄本 □印鑑 | ||
□リース契約 | リース会社 | □相続届書 □被相続人の戸籍(除籍)謄本 □相続人の戸籍抄本 □相続人の印鑑証明書・印鑑 |
(注)
上記の必要書類等は、被相続人・相続人の状況や地域により異なる場合がありますので、詳しくはそれぞれの手続先にご確認ください。
近年の相続税の改正などにより相続税の負担割合や相続税がかかる人の割合は共に減少傾向にあります。
この資料によると平成19年度の申告については、仮に100人亡くなる内5人未満に相続税が発生すると読む事ができます。
統計的にはこのような状況ですが、相続について以下のような不安をお持ちの方は現状把握と税金の試算を行い早めに対策を講じておく事をお勧めいたします。
様々な悩みや・関心事はあるかと思いますが、相続税とはいつ・どんな財産にかかるのかを次のQ&Aで確認してみましょう。
人が亡くなったとき、その人の財産(遺産)は家族、または遺言で指定された人に分配されるのが一般的です。相続税は、その分配にかかる税金です。
相続税は、遺産から葬式にかかった費用、非課税となる財産、借入金等の債務を差し引いた額をもとに計算されます。
有形・無形にかからわず、一部の非課税財産を除いてほとんどの財産が相続税の対象になります。
相続税のかかる財産の例
現金・預貯金
土地(田、畑、宅地、山林など)
建物(家屋、建築物等)
有価証券(株式、国債、社債など)
事業用財産(機械器機、商品、原材料、売掛金など)
家庭用財産(家具、美術品、宝石など)金
その他(ゴルフ会員権、貸付金、借地権、特許権など)
※相続税の計算にあたっては相続財産は相続開始時(死亡時)の時価で評価されます。しかし、時価を把握するのは困難なため、税法では財産ごとに評価法が定められています。
相続税のかからない財産(非課税財産)の例
生命保険金・死亡退職金の一部
(500万×法定相続人の数)
墓所や仏壇、仏像等(骨董品や投資目的で所有しているものを除く)
公共事業用財産
(社会福祉事業や義務教育を行う学校のその他(ゴルフ会員権、貸付金、借地権、特許権など)事業者等が、公共事業の用に供する財産)
相続税の申告期限までに国等に贈与した財産
◆こんな財産にまで相続税がかかります!? 相続税の対象となる財産は、無くなった人が生前に所有していたものだけではありません。 下記のように、死亡保険金、一定の条件を満たした生命保険金、生前に贈与した財産なども相続税の対象となるので注意しましょう。
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東北税理士会所属
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